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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

啓示

 私の不注意で背柱の十二番目を圧迫骨折し、多くの皆様にご心配とご迷惑をおかけしてしまいました。

 ひまわり学園が肢体不自由のお子さんの通園施設だった頃、子どもたちの訓練や介助にかかわった私でしたが、いざ自分が動けなくなった時、実に多くのことを知ることになりました。

 寝返る時に足をどの角度に曲げたら寝返りしやすいのか、座位から立位する時にどんな支えがあれば立ち上がりやすいのか、方向を変える時にどの様な腰の回旋が必要なのか等々体の動きに対して自ら検証することにもなりました。

 そして、介護される側として、あと五センチ手前に置いてもらったら、お茶に手が届くのにとか、この重さは、今の私には持てないのだけどとか、もどかしさもありましたし、職場では、いつ、誰に、どのように助けを求めたらいいのかと迷いました。そして、私がかかわった脳性まひの子ども達や筋ジストロフィーの子ども達が日々、自分の思いを口に出せずに胸内に呑み込んでいたに違いないと思ったのでした。そして、このことが私への啓示なのだと悟らされたのです。

 私が転んで骨折したのは、A小学校の廊下でしたが、心配して下さった先生や生徒さんに、本当にご迷惑をおかけしてしまいました。その時、起き上がれない私に、一人の生徒さんが、何か白い袋のような物を差し出して「これを枕にするといいよ。」と言ってくれました。後で聞き知ったのは、その生徒さんは情緒学校に在籍している生徒さんだったとのことですが、その心づかいと、その生徒さんの心配そうな表情が私に安らぎを与えてくれました。そしてその子を育くんで来られたご家庭や先生方のあたたかさを思ったのでした。ありがとうございました。


2015.10.19 発行



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