先日は御嶽山が噴火し、多くの方が亡くなられたという痛ましい事故が起きましたが、そのニュースのあとにとび込んだのは、ノーベル賞のニュースでした。
日本人3人のLEDの発明に対する物理学賞につづき翌日には、17歳のパキスタンのマララさんと、インドのサティヤルティさんの平和賞受賞が知らされました。
平和賞は、世界に戦闘が在るかぎり、その対極の平和に尽くした人に贈られるわけですから、平和賞のない世の中が本当は望まれるわけですが、今回は女性や子どもたちのために活動を続けているお二人に贈られることは、すばらしいことでした。
今、世界には、貧困にあえぐ国々に暮らす1億6800万人もの子どもたちが、不当な労働を強いられているといいます。日本の総人口よりも多い数です。
それに比べて日本の子どもたちはどうでしょう。食べ物は巷にあふれ、欲しい物はお金さえあれば何でも手に入ります。けれども体力は二極化がすすみ、人と人との関係は希薄になり、子どものいじめや虐待は、あとを絶ちません。保育や教育の現場では、先生方が変わりつつある子どもたちや家庭、地域のあり方に心を痛めておられます。
私たちが豊かさを求める中で失ったものは何だったのでしょうか。そして、貧しいが故に医療も教育も受けられずにいる子どもたちに私たちができることは何なのでしょうか。いじめや虐待をどうしたら防ぐことができるのでしょうか。
心の奥底に言い表しようのない痛みを覚えつつ、私たちはずっと自分に問い続けていかなければならないのではないでしょうか。子どもたちの今、そして未来に何をすべきか…と。
2014.10.14 発行