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ひまわりからのメッセージ

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ひまわりからのメッセージ

悲痛な叫び

 毎日様々なニュースが飛び交う中、数日前からマスコミは5歳の結愛ちゃんの死を報じています。虐待によって命を絶たれた結愛ちゃんは、毎朝4時に起きて、平仮名の練習をしていたといいます。「パパママゆるして。」と懸命に書いた結愛ちゃんのことばは、結局両親には届きませんでした。結愛ちゃんが残したメモの内容は余りにも悲痛で胸をかきむしられる思いがします。彼女は何のために、この世に生を受けたのでしょうか。お母さんは一度も彼女をかわいいと思ったことがなかったのでしょうか。いいえ、前夫との間に生まれた彼女を、きっとかわいいと思って抱きしめてくれた日々があったに違いない……と信じたいと思います。

 それにしても嫌なニュースが何と多いことでしょう。「自分さえよければ……」という利己主義や自己防衛の人たちが政治にもスポーツの世界にも巷にも満ちあふれているのでしょうか。かく言う私自身にしたって大した人間ではありませんが、悲しいニュースや腹立たしい出来事にさらされていると、自分の心まで枯渇していってしまうような気がします。

 ところで昨日、庭の隅に咲く萩を見つけました。萩は秋に咲くものなのに…と思い、病床の友人に便りをしようと思い立ちました。確か文箱に萩の花の絵葉書があったはずだと探し出しました。友には、ここ数カ月、折にふれて絵葉書を送っているのです。いざ書こうと思って、ふと見ると、花の下に「こまつなぎ」と書かれているではありませんか。そして「萩に似た花で初夏に咲く」とありました。私が萩だと思っていたのは、実は「こまつなぎ」だったのです。

 この花は、10年以上前、乳幼児家庭教育学級の講座で話をした折に、鉢植えをいただいたものでしたが、おそらく贈って下さった方も萩だと思って私に下さったのではなかったでしょうか。

 庭の木々は、早々と剪定されて花を見ないで過ぎてしまうこともあるのですが、今年は濃いピンクの可憐な花を見ることができ、花の名も知ることができ、友にも、そのいきさつを書き送ったことでした。雨の合い間の庭先に佇みながら、こまつなぎや十薬やつゆくさなど小さなやさしい花々に少し心をなぐさめられた気がしています。結愛ちゃんのご冥福を祈りながら、何度もくり返される悲しい事件を何とか防ぎたいを思います。子どもたちは、どの子も幸せであるべきなのですから……。


2018.6.11 発行



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