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□ひまわりからのメッセージ

一言の重み

 何年も前のことでしたが、中国から日本への帰国便の待合室で有名な作詞家と出会ったことがありました。もちろん、ことばを交わすこともなく、飛行機は大幅に遅れて、成田に到着しました。翌日、外すことのできない仕事のあった私は、最終の新幹線に乗らねばならず主人を残し、大急ぎで走って、その作詞家夫妻を追い抜いたのです。すると、その時、「いやだね、日本人はこれだから…。そんなに急がなくてもいいのに…。」ということばが聞こえてきました。私も時間にゆとりがあれば、走ることもなかったでしょうが、相手のことを全く知らないまま浴びせられたひとことは深く心に突き刺さったのでした。そして、Aさんの歌う名曲を聞くたびに、こんな素晴らしい詞を書く人が…と、何年たっても当時のことを思い出してしまうのです。

 ところが先日のこと。園内の食事会で、誰かが座布団を用意して下さっていました。コルセットをしていて、床に座るのが大変な私のための心配りでした、けれども、その座布団を見た瞬間、私の口から自分でも思いがけず「無理……。」ということばが口をついて出たのです。意識したことばではなかったのですが、その一言をつぶやいた自分自身におどろき、傷つき、よかれと思ってして下さった好意に対して発したひとことに己が未熟さを思い知ったのでした。

 そして、自分では気づかずに、色々な場面で人を傷つけることばを口に出していることもあるのではないかと思ったのです。お母さんたちにも、子どもたちにも……。

 人と人との間で、私たちは様々なことばを紡いでいきますが、一言一言の重みを忘れずにいたいと思いました。

 今年もよろしくお願いします。
2016.1.18 発行

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